2011年8月27日土曜日

TL50M



 先週末は大阪に出張でした。大阪に行くということで,Yさんと連絡を取り会うことに。
普段なかなかお会いすることのできないYさんと,久しぶりに酒を飲みながら楽しくテンカラ話でもと,気軽に考えていたのですが,美味しいお酒とお料理をたらふく御馳走になったうえ,プレゼントまで頂いてしまいました。(何時もありがとうございます!)
 そのプレゼントが開けてビックリ!DAIWAのSZ テンカラ50M!

穂先が太いスローテーパーなデザインなので穂先がピッタと止まります
バットから曲がりトルクのあるループが投げられます
軽く細いラインも楽に飛ばすことができます




 この竿は今は製造しておらず,何処を探しても手に入らない超レアものです。現在自分も40Mを2本,50Mを1本持っていますが,1本は1,2番が,1本は1番がおれ,1つの1番を40Mと50Mとで使い回しています。当然メーカでもパーツの在庫はなく,これが折れたらもうTLの釣りはできないと諦めていました。
 何よりも嬉しいプレゼントです。Yさんはサンタクロースのような人で,手に入らなくて困っている物を「たまたま手に入ったから,使うて。」と何でもないことのようにさらっと下さるのです。何時もYさんは驚かされ,感謝の気持ちで一杯になるばかりで,情け無い話ですが,何も恩返しすることができません。Yさんの人柄,仕事に対する姿勢どれをとっても男前で,女優のように美しい奥さんが惚れるのも納得です。

師匠の釣りを見学するYさんご夫妻
昨年 秋神にて

左からカバちゃん,Yさん,山ちゃん
Yさんは大阪北新地で高級料亭を営んでいる男前の板前さん

 この竿でまだまだ釣りができるとに感謝します。
 Yさん本当にありがとうございます。





2011年8月20日土曜日

Salt Tenkara in 沖縄


 今年の夏も沖縄に帰省してきました。晴天は少なかったものの天候にも恵まれ,滞在中ほぼ毎日,海に行きました。毎年,海で釣りもするのですが,テンカラ以外の釣りをやったことのない自分にはほとんど釣れず,いつも消化不良で終わります。
 近年,FlyではSaltが流行っています。地元では浜名湖での黒鯛の釣りが知名度を上げてきています。Salt Flyに関しては以前,TVでシーラをFlyで釣るのを見たことがありますが,強風の中大きなミノーパターンを遠投し,フッキングしたあとも太いフライラインが水の抵抗を受けて,魚が走った時にブレイクしやすいということで,あまりFlyで釣るメリットを感じられず,興味がわきませんでした。
 しかし,去年のオフにプロショップで黒鯛釣りの話を聞いているうちに少しずつ,「もしかしてテンカラでもいけるのでは」という期待がわき起こってきました。

 それは,干潮時に浅場で釣れるということで,ということはトップ付近で釣れるということ,沈めるにしてもウエイトの軽いフライでいいということで,テンカラにも可能性が出てきます。黒鯛でもキビレという種類は攻撃的で,ポッパーにも反応するらしいので増々期待が膨らみます。
 問題は,キャスティングレンジと竿の耐加重。Flyでは20m前後のレンジで#7〜8のロッドを使用するそうです。厳しい!
黒鯛は無理でも沖縄のシャローな海でテンカラをやってみたい!沖縄のリーフにならきっとテンカラでも釣れる魚がいるはず!

 ということで,今回は,Salt Tenkaraに挑戦してきました。
海用のフライを準備しようと思っていてなかなか時間が取れず,出発当日に準備。普段お世話になっている加藤毛鉤が休みなので,急遽,Watchettに行き必要最小限の材料をオーナーの鈴木さんに見繕っていただきました。沖縄に着いてから早速,見よう見まねでキールタイプのミノーを4つ巻き,何時も行くリーフへ。



子ども達は恒例の素潜り
家の子ども達は管理されたビーチには行きたがりません
生き物がたくさん居るこのリーフがお気に入り

初物はミーバイ(和名:カンモンハタ)

 リーフの根の周りをフライを沈めて釣ると20cm前後のイシミーバイがおもしろいように掛かります。ツツツーッと引いて来ると根掛かりかと思うようなアタリがあります。
時合いも良くなり,上げ潮でどんどんリーフ内に海水が流れ込んで来ると魚の活性も上がり,辺りが賑やかに。今まで露出していたリーフが水に浸かりポイントが増えます。水深20cmくらいの所も際を狙ってキャストするとミーバイが喰ってきます。


 そんな中,水深のある流れ込みの肩にキャストして数秒待ってから誘いを入れるとズシ〜ンと今までとは違うアタリが!といきなり走り出し,往なす間もなく岩の根に潜り込まれてしまいました。しばらくテンションを掛けたり緩めたりしていると根から出て,ぐんぐん引き込みます。竿を見るといい感じに曲がっていてまだまだ耐えられそうです。魚を往なしながら魚を取り込める緩い所へ誘導します。魚が浮き上がってきて透明な水越しにその姿が見えました。40弱くらいのイラブチャー(和名:ブダイ)みたいな魚です。やったーと思った瞬間,またグイグイと引き出し横にあった根にまたもや潜られてしまいました。今度は何をやってもダメです。長男にゴーグルを持ってくるように助けを求めます。長男が来るまで一定のテンションを保ったまま待っていました。足場の悪いリーフの上を急ぎ足に,長男がゴーグルと網を持って来た時には時すでに遅し,それまでずっしりと重かった竿が嘘のように軽くなっていました。

今回,沖縄で巻いたフライ

こんな小さな魚も・・・
フエフキダイの一種


20mくらい距離を置いて,自分が2,3歩進むとこの鳥も2,3歩進み,30分くらい一緒に釣りをしました


今回も活躍したpatagoniaのHip Pack ロッドホルダーも便利
今回使用した竿は携行に便利な魚釣館4.5 仕舞寸法が短いので機内にも持ち込めます
 その後も毎日テンカラをやりましたが,結局釣れるのはミーバイばかりで大きな魚は釣ることができませんでした。上記のイラブチャーのような魚以外の大きな魚も反応はするのですがなかなかフッキングには至りませんでした。
 初日の釣り場以外は毎日,妻の実家の近くの人工ビーチ沖のシャローを釣りました。干潮時にリーフエッジまで行って潮の満ちとと同時に移動しながら釣ることを繰り返しました。藻場やリーフ周り,潮目,流れ込みや駆け上がりなど魚の居るポイントをブラインドで攻め,魚が見える時にはサイトでもチャレンジしました。キャスティングレンジは15m前後です。
 初Salt Tenkaraで思ったことは,シャローならやはり10m以上のキャスティングレンジが必要だということ。また,ミノーパターンのような大きなフライでなくクレージーチャーリーのような比較的小さな海老パターンで十分だということです。大きくて重たいウエイトを入れたフライはやはりテンカラで遠投するのは難しく,かえって魚を散らしてしまうことになります。やはりテンカラらしく軽いフライでソーッと釣る方が向いています。(やはり毛鉤で釣るのだから,ルアーで投げられない軽くて小さな疑似餌を使うことに意味があると思います。)初日に行ったようなリーフが沢山あり水深もあって魚もたくさん居るような場所なら10m以下のレンジで重いフライでも釣りになります。(ミーバイには大きなフライの方がよかったです)問題は魚を掛けてからのことですが,今回大きな魚は1匹しか掛けておらず,最後は根に潜り込まれてラインブレイクしているので何ともいえませんが,あの感触なら40cmくらいまでならなんとかなりそうな気がします。こればかりは釣り上げてみないと何ともいえませんが・・・・。


 ということで,Salt Tenkaraは充分に可能でおもしろく,可能性に満ちているということです。是非皆さんもお試しください。

2011年8月10日水曜日

プチ遭難釣行〜後編〜

 次の日の早朝,本流を見てみると昨日より色は薄くなっていましたが,まだ釣りになる状況ではありません。前日も夜中に家を出て1日中歩き続け,疲れもピークに達していたのでそのまま寝ることに。
昼前に目が覚め,川の様子を見ると濁りは変わりません。また,本流は諦めて夕間詰めの本谷を釣ることにしました。温泉小屋のNさんとゆっくりおしゃべりをし,ゆっくり昼食をとっても時間が余ってしまったので,S沢を見に行ってみました。始めは,短い竿とラインでブッシュに覆われた沢を釣る練習と思ったのですが・・・・・。涼をとることに切り替えました。

時間潰しに入ったことのない沢を見に行きました
岩に生した苔が美しく,ブッシュに覆われた沢は,ひんやりとしていてとても心地いいです
ただ,テンカラには向きません
竿を出さずにのんびりと過ごしました

二本の沢の合流点に,根が岩を覆い悠々と立つ老木がありました

岩がゴロゴロしていていかにも魚が居そうなんですが・・・

トビケラの一種でしょうか?体長が5cm程ありました,#2フックでもまだ足りません
例年は温泉小屋に止まると,電灯に虫が群がり翌朝には掃いて捨てるのが大変なほどです
今年は虫が少なく,掃除も楽でいいのですが・・・

 3時頃からゆっくり釣り上がりました。アマゴは反応するもなかなか口を使いません。かなりシビアです。魚は少ないようですが居ることは居ます。


 丁度いい時合いになった頃,またもや夕立が!しかし,魚の反応も良くなってきていたので諦めずに釣り上がりました。 

こうしてみるとハゼみたいです

背中の白い斑点が日光ぽっい岩魚
この時間帯は撮影が難しく,ピンぼけを防ぐためにフラッシュ撮影
まるで夜釣りのような写真に・・・

金色の岩魚
岩魚は個体差が大きく同じ谷でもいろんな魚が釣れます


この2枚は動画モードで撮影し静止画を切り取ったものです
ピンぼけもフラッシュも嫌なのでやってみたのですが・・・
これもノイズがひどく使えません
 アマゴは20cmくらいのがようやっく1つと,寂しい結果でしたが,岩魚は飽きれるほど釣れました。途中から撮影するのは諦めて,真っ暗になるまで土砂降りの雨の中,久しぶりの感触を味わいました。


 結局釣れるか釣れないかは,時合い(状況)とアプローチ(技術)次第です。どんなに数が減ろうが,川が悪化しようが,魚はたくましく生き続けています。この時期アマゴが釣れないのは,腕が悪いということですね。反省します。




 そして,ずぶ濡れになりながらも気持ち良く帰り支度をし,帰路を急ぐと・・・。
至る所がガレています。しかし,流石は愛車OUTBACK!多少のガレは難なく乗り越え,これは無理かなというようなひどいガレも平気で乗り越えて行きます。


 ところが,後少しで谷を抜けられるという所で,こんどは完全に道が塞がっていました。前日の朝と同じ所です。2日続けて同じ所が崩れるなんて・・・・。
万事休す,どうすることもできません。安全な所に車を移動して1夜を過ごすことに。残っていたビールとわずかなつまみを食べ,早々に寝ました。ここでもOUTBACKは活躍!後部座席を倒せば荷台がフルフラットになり,足を伸ばしてゆったり寝ることができます。


帰路を塞いだ土砂崩れ
翌朝,途方に暮れながら撮影したのでピンぼけです

 連日,夕立が続き地盤がかなり緩んでいたようです。あの時そばを食べてそのまま帰っていれば,こんなことにならずにすんだのに・・・・。
悔やんでも後の祭り,仕事にも行けず,連絡も取れず途方に暮れるばかりです。


 しかし,前向きな自分は道が開通するまで竿を出すことにしました。(バカですね)
人もこないし,釣れるはず!
・・・でしたが,まるで反応がなくボウズ。いい加減飽きてきたので,上流の山小屋に助けを求めに行くことに・・・。途中の登山口の駐車場でK村さんと遭遇,情報交換すると,すでに,下に連絡が行っていて午前中には開通するとのこと。帰らなければならない自分と今週はずっと山にこもろうと決めていたK村さんとでは,気の持ちようが大違い,土砂崩れのことは大して気にしておらず,呑気なものでした。自分もK村さんに同調し,釣り談義とキャスティング練習で時間を潰し,11時前にようやく開通したので,無事帰ることができました。


 良かったのか悪かったのか分かりませんが,丸二日半山で過ごし,散々釣りをすることができたのだから良かったということでしょうか。


 何しろ,この時期の釣行は日中は晴れていても,連日夕立がある時は要注意です。


プチ遭難釣行〜前編〜


  7日(日)からホームに行ってきました。前日の夜にネットで川の状態を調べた時には,いい状態になっていたのですが,早朝川に着いてみると,まさかの濁流。後で分かったのですが,前日の夕方かなりの雨が降ったそうです。
諦めて,上流の本谷へ。すると本谷の入り口が土砂崩れで車が通ることができず,徒歩で釣り場へ移動することに・・・。何とも幸先の悪い釣行のスタートです。



本谷は本流の増水濁流とは打って変わって,水は少なく透明でした


橋の下で昼食をとりながら休憩
愛竿DAIWAのTLとSIMMSのG3ガイドウェーダー,Head Watersシューズ,Patagonia Storamfront Hip Pack



日中時間潰しに,セルフ撮影
岩の上にカメラを置いて,動画モードで撮影





U沢からの濁りがアッとういう間に川をカフェオレ色に・・・

これからという時に,土砂降りの夕立に遭い濁りが入り始めたので夕間詰めを諦め,この日は終了しました。


早朝は魚の反応はあったもののなかなか喰わせきれず,日中は当然,アタリはなくなり結局またもやボウズ。釣れたのは,合わせないようにしていたのにピックアップする時に掛かってしまうチビアマゴだけでした。

中電の放水口から濁流が本流に流れ込んでいました

K沢からの流れ
朝は茶色だったのに夕方には回復してきて,本流と逆転しています。


山菜と海老の天ぷらが付いた天盛りそば
季節の珍しい山菜とトマトの天ぷらが絶品,大きな海老が2本も付いてボリューム満点です

 泊まりで釣ろうと思っていたのですが,諦めて帰ることに。帰路の途中,丸西屋さんに寄ってそばを食べがてら,ご主人のK田さんから最近の川の状況について話をききました。


 今年の濁りの原因は中電の廃砂だそうです。増水する度に水と一緒に底に溜った泥を流しているそうです。その泥は一気には流れず,下流部に体積するそうです。上流部が澄んでいて下流部の濁りがとれないのは,このためです。自然な土砂崩れによる濁りはここまで残らないそうです。また,たしかに川の回復力が落ちているとも言っていました。それは,ひとつには採石による影響が大きいと言うことです。詳しくは分かりませんが,下流部で砂を採れば採るほど,上流部には砂が堆積するということでしょうか。温泉小屋のNさんの話によると,どんどん川が下に下がっているそうです。下流部の採石により上流部の川床が掘れ,流れも大きく変わりやすくなるとのことです。昔は深い淵が沢山あったそうですが,今は瀬が増えています。川床が掘れるのに,瀬が増える?矛盾するようですがこれが実状です。
いずれにしろ,堰堤で土砂をせき止めたり下流で採石したりと,自然な土砂の流れが崩されることで,川の状況を悪化させ回復力を低下させていることに間違いなさそうです。




そば屋を出た時には,すっかり雨も上がり晴れ間が・・・


 Kさんに今日の夕立による濁りの話をすると,一気に降った雨の濁りは速く回復すると言われたので,迷った末,温泉小屋に引き返し翌日に期待することにしました。
今思えばこの時,帰っていれば良かったのですが・・・・。