2011年8月20日土曜日

Salt Tenkara in 沖縄


 今年の夏も沖縄に帰省してきました。晴天は少なかったものの天候にも恵まれ,滞在中ほぼ毎日,海に行きました。毎年,海で釣りもするのですが,テンカラ以外の釣りをやったことのない自分にはほとんど釣れず,いつも消化不良で終わります。
 近年,FlyではSaltが流行っています。地元では浜名湖での黒鯛の釣りが知名度を上げてきています。Salt Flyに関しては以前,TVでシーラをFlyで釣るのを見たことがありますが,強風の中大きなミノーパターンを遠投し,フッキングしたあとも太いフライラインが水の抵抗を受けて,魚が走った時にブレイクしやすいということで,あまりFlyで釣るメリットを感じられず,興味がわきませんでした。
 しかし,去年のオフにプロショップで黒鯛釣りの話を聞いているうちに少しずつ,「もしかしてテンカラでもいけるのでは」という期待がわき起こってきました。

 それは,干潮時に浅場で釣れるということで,ということはトップ付近で釣れるということ,沈めるにしてもウエイトの軽いフライでいいということで,テンカラにも可能性が出てきます。黒鯛でもキビレという種類は攻撃的で,ポッパーにも反応するらしいので増々期待が膨らみます。
 問題は,キャスティングレンジと竿の耐加重。Flyでは20m前後のレンジで#7〜8のロッドを使用するそうです。厳しい!
黒鯛は無理でも沖縄のシャローな海でテンカラをやってみたい!沖縄のリーフにならきっとテンカラでも釣れる魚がいるはず!

 ということで,今回は,Salt Tenkaraに挑戦してきました。
海用のフライを準備しようと思っていてなかなか時間が取れず,出発当日に準備。普段お世話になっている加藤毛鉤が休みなので,急遽,Watchettに行き必要最小限の材料をオーナーの鈴木さんに見繕っていただきました。沖縄に着いてから早速,見よう見まねでキールタイプのミノーを4つ巻き,何時も行くリーフへ。



子ども達は恒例の素潜り
家の子ども達は管理されたビーチには行きたがりません
生き物がたくさん居るこのリーフがお気に入り

初物はミーバイ(和名:カンモンハタ)

 リーフの根の周りをフライを沈めて釣ると20cm前後のイシミーバイがおもしろいように掛かります。ツツツーッと引いて来ると根掛かりかと思うようなアタリがあります。
時合いも良くなり,上げ潮でどんどんリーフ内に海水が流れ込んで来ると魚の活性も上がり,辺りが賑やかに。今まで露出していたリーフが水に浸かりポイントが増えます。水深20cmくらいの所も際を狙ってキャストするとミーバイが喰ってきます。


 そんな中,水深のある流れ込みの肩にキャストして数秒待ってから誘いを入れるとズシ〜ンと今までとは違うアタリが!といきなり走り出し,往なす間もなく岩の根に潜り込まれてしまいました。しばらくテンションを掛けたり緩めたりしていると根から出て,ぐんぐん引き込みます。竿を見るといい感じに曲がっていてまだまだ耐えられそうです。魚を往なしながら魚を取り込める緩い所へ誘導します。魚が浮き上がってきて透明な水越しにその姿が見えました。40弱くらいのイラブチャー(和名:ブダイ)みたいな魚です。やったーと思った瞬間,またグイグイと引き出し横にあった根にまたもや潜られてしまいました。今度は何をやってもダメです。長男にゴーグルを持ってくるように助けを求めます。長男が来るまで一定のテンションを保ったまま待っていました。足場の悪いリーフの上を急ぎ足に,長男がゴーグルと網を持って来た時には時すでに遅し,それまでずっしりと重かった竿が嘘のように軽くなっていました。

今回,沖縄で巻いたフライ

こんな小さな魚も・・・
フエフキダイの一種


20mくらい距離を置いて,自分が2,3歩進むとこの鳥も2,3歩進み,30分くらい一緒に釣りをしました


今回も活躍したpatagoniaのHip Pack ロッドホルダーも便利
今回使用した竿は携行に便利な魚釣館4.5 仕舞寸法が短いので機内にも持ち込めます
 その後も毎日テンカラをやりましたが,結局釣れるのはミーバイばかりで大きな魚は釣ることができませんでした。上記のイラブチャーのような魚以外の大きな魚も反応はするのですがなかなかフッキングには至りませんでした。
 初日の釣り場以外は毎日,妻の実家の近くの人工ビーチ沖のシャローを釣りました。干潮時にリーフエッジまで行って潮の満ちとと同時に移動しながら釣ることを繰り返しました。藻場やリーフ周り,潮目,流れ込みや駆け上がりなど魚の居るポイントをブラインドで攻め,魚が見える時にはサイトでもチャレンジしました。キャスティングレンジは15m前後です。
 初Salt Tenkaraで思ったことは,シャローならやはり10m以上のキャスティングレンジが必要だということ。また,ミノーパターンのような大きなフライでなくクレージーチャーリーのような比較的小さな海老パターンで十分だということです。大きくて重たいウエイトを入れたフライはやはりテンカラで遠投するのは難しく,かえって魚を散らしてしまうことになります。やはりテンカラらしく軽いフライでソーッと釣る方が向いています。(やはり毛鉤で釣るのだから,ルアーで投げられない軽くて小さな疑似餌を使うことに意味があると思います。)初日に行ったようなリーフが沢山あり水深もあって魚もたくさん居るような場所なら10m以下のレンジで重いフライでも釣りになります。(ミーバイには大きなフライの方がよかったです)問題は魚を掛けてからのことですが,今回大きな魚は1匹しか掛けておらず,最後は根に潜り込まれてラインブレイクしているので何ともいえませんが,あの感触なら40cmくらいまでならなんとかなりそうな気がします。こればかりは釣り上げてみないと何ともいえませんが・・・・。


 ということで,Salt Tenkaraは充分に可能でおもしろく,可能性に満ちているということです。是非皆さんもお試しください。

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